2016年5月5日木曜日

蛸について


「タコについて」

日本の食生活に深く根付いているタコ。多様な種が知られていますが、日本で一般的に「タコ」と言えば、食用などで馴染み深いマダコを指す場合が多いです。 実は日本人とタコの関係は古く、池上・曽根遺跡などの大阪府下の弥生時代の遺跡からは、蛸壺の土器が複数出土している程です。

夏を迎えるに当たり、鱧と同様夏を旬とするタコ(6月~7月/9月~10月)について今回は色々と書かせて頂きたいと思います。




1、タコの概要について

「タコとは?」

タコは八腕形上目タコ目に分類される軟体動物です。頭のように見える丸い部分はタコの胴体にあたる部分で、中には内臓などの器官が収まっています。実際の頭は口器のある部分であるため、頭から直接が生えていることになり、これらの仲間を頭足類といいます。また、映画やドラマの会話で「このタコ!」といったに罵倒の意味合いで使われることが多いですが、実は脊椎動物の中では最も知が高い部類に入ります。例えば蓋をした透明な瓶の中にいるカニを視覚のみで認識して瓶の蓋をひねって開けたりするというのはとてもいい例です。更にタコは日本では人気の食材ですが、食用としている国は意外と少なく、メキシコ、イタリア、ギリシャ、スペインなど一部の地域で食されているのみです。また、タコを食用としない西欧(イギリスやフランス等)などの地域では「デビルフィッシュ(悪魔の魚)」とか、「シーデビル(海の悪魔)」と呼ばれ、漁師ですら食用にしないそうです。余談ですが、某有名ホテルのシェフがフランスに修行に行った時向こうのシェフに「何故、日本人はタコなんて気持ちの悪い生き物を食べられるのに蛙が食べられないんだ?」と真面目に質問され、答えに困ったそうです。

「タコの種類」

タコ類としては世界中で約250種類が知られており、日本近海では約60種類が確認されています。その中でも食用とされるのは510種類程で、日本ではマダコ、ミズダコ、イイダコがよく利用されます。

マダコ
タコ類の中でも最も一般的で、本州以南の地方でタコといえばマダコをさすほどよく知られています。全長60cmの世界各地でみられる種で、日本では東北地方以南の沿岸地域で水揚げされます。中でも瀬戸内海の明石沖で獲れるものはアカシダコと呼ばれます。国内での漁獲量は以前に比べ格段に減っており、市場に出回っているものの多くは、アフリカ北西海岸などで獲れた外国産です。旬は夏です(東北地方では冬です)。

ミズダコ
全長3m、体重20kgにも達する世界最大のタコで、水深200m以浅の砂礫底や岩礁域に生息してします。日本では東北地方北部から北海道、千島列島に、またアリューシャン列島を経て北アメリカの西海岸まで広く分布しています。身がやわらかく、水っぽいことからミズダコと名付けられました。味はマダコに比べると劣るため、多くは加工用として利用されます。旬は初夏です。

イイダコ
全長20cm程度の小さなタコで、煮物などにして丸ごと食べられます。主な産地は日本周辺から朝鮮半島、東シナ海の浅海で、全身は小イボで被われています。卵は冬から早春に熟し、その米粒状の卵が体内に詰まっている様子から「飯蛸」と名付けられました。タコにしては珍しく旬は冬から春です。




 2、タコの食史・栄養について

「日本人のタコ食史」







実はタコは日本では古くから食されており、弥生時代の遺跡からはタコ壺形の土器が出土しています。平安時代の「延喜式」にはタコの干物やイイダコの熟鮨(ナレズシ)の名があり、タコ料理についての記録が残されています。また江戸時代の料理書『料理物語』(1643年)には、桜煎タコを石焼きにして干したもので削って食べる料理駿河煮出し・たまりに酢を加えて、よく洗った蛸をまるごと、いぼが白くなるまでよく煮る。黒煮ともいう)、なますかまぼこといったタコ料理が記載されており、江戸時代中期には一般的な武士の食事にもタコが出されていたといわれています。昨今でも加熱調理されることが通例で、多くの種は茹でる鮮紅色になります。たこ焼きやその原形とされる明石焼きの具材としても親しまれています。なお、下処理として表面のぬめりを取るために塩もみされることも多いです。

「タコの栄養」

●タコに含まれる成分と性質
タコは低カロリーで、栄養素が豊富です。ビタミンB2ナイアシンビタミンEなどのビタミン、更に亜鉛、などのミネラルに加えて、アミノ酸の一種のタウリンを豊富に含んでいます。タウリンは魚介類に多く含まれる成分で、動脈硬化予防肝機能強化のほか、網膜細胞の機能を正常に保つ働きがあり、目の疲れにも効果を発揮します。更にタンパク質も多く含みます。夏場のものが特に美味とされます。関西地方には、半夏にタコを食べる習慣がありますが、これはタウリンを補給して夏バテを防ぐと言う由来からです。秋口にメスの体内にある象牙色の袋に包まれており、タコの袋児(ふくろご)と呼ばれ、これは煮付けて食べます。また、産卵後の卵はその形状から海藤花(かいとうげ)と呼ばれ、塩漬けにします。なお、イカの吸盤が環状に並んだ微細で鋭利な歯を持つのに対してタコの吸盤にはそれが無く、大きく肉付きも良いため、それ自体の食感が喜ばれ美味です。この他、青森県下北半島ではタコの内臓を茹でたものを「道具」の愛称で呼び、刺身や鍋の具などにして食べています。

●タコの産地
実は日本は世界でトップクラスのタコ消費国で水揚げされる約3分の2にあたる、年間約16万tのタコを消費しています。しかし日本での年間の漁獲量は約4万t程度のため、外国産のものが多く出回っており、中でもモーリタニア、モロッコなどのアフリカ北西部からの輸入が過半数を占めています。日本での水揚げ量は北海道が最も多く、次いで兵庫県、香川県となります。

●タコの選び方と保存法
生のタコは吸盤の吸いつきがよく、弾力のあるものを選びます。新鮮なものにはそばかすのような斑点があります。ゆでダコはきれいな小豆色で、弾力とつやのある皮がしっかりしたものを選びます。表面に粘りがあるものや、皮がはがれているものは避けましょう。
保存する際は塩でぬめりをとったあとに柔らかくなるまで茹で(醤油を少量入れると肌の赤さがより鮮やかになります)、冷ましてからラップなどに包んで冷蔵庫で保存します。






●タコを食べる際の注意点
タコは食べ過ぎるとかゆみが出ることがあるため、過敏体質の場合は注意が必要です。腐敗したものは腸炎ビブリオなどによる食中毒を引き起こすことがあるので、新鮮なうちに食べるようにします。
また、消化率は高いですが、消化に時間がかかるため、胃の弱い人や、胃の調子がよくないときは食べ過ぎに注意が必要です。


3、「タコ墨とイカ墨の違い」

上記に挙げてきた通り、タコは古くから日本人に愛されてきたよく食べる食材です。しかしなぜ「イカ墨」は料理としていくつもありますが、

タコ墨」は食されないのでしょうか?理由として

 毒素が強い? 実は文字通りタコの墨だけならば無毒なのですが、タコは敵に襲撃を受けると、相手に存分に墨を吹きかけて文字通り「煙」に巻いてその間に逃げます。タコ墨が食べ物に使われない理由としては、天敵のウツボの臭覚を麻痺させ、カニの感覚も狂わせる特殊な成分があるため、毒素が強いのだと判断されてきた、というのが挙げられます。しかし少々誤解がありまして、この一連を細かく書きますと、タコが吐いた墨に混じった唾液にチロシンという毒素があり、これが墨に混じるというのが原因です。獲物を捕獲する時にもこのチロシンを使います。諸説や個人差がありますが、仮に人間が摂取すると命にまで影響はありませんが、嘔吐や発熱いわゆる食中毒になる可能性があるそうです。

 墨が残ってない タコは輸入されたものが多く、内臓はすでにほとんど除去されているということや、墨袋も小さくて水揚げのときにはほとんど墨が残っていない、ということも原因のようです。

 摂取しずらい タコの墨袋は、イカと比べて、奥まったところに位置しており捌くのに手間が掛かると言われています。

 量がイカに比べて少ない タコの墨の量は、イカと比べると量が少ないと言われています。 イカと比べると、手間も掛かる上に量も少ないため、お店としてもかなり扱いにくいというのも大きい原因です。逆にイカの場合は日本近海の多くの海で漁によって入手がしやすいということ、水揚げのときにも墨が残っていること、コウイカのように大きな墨袋を所有している種類もいること、などの理由から料理にも使いやすいです。仮にタコ墨料理というのを出すなら、いわゆる裏メニューにするか、かなり高額の料理にしなくてはならず、諸説ありますが料理屋でイカ墨料理があってもタコ墨料理が無いのはこれが一番大きいというのはよく言われます。

 


 

3、「タコ料理」

ご家庭でも出来るタコ料理を幾つかご紹介致します。

タコ飯


材料:米3合
タコ(一口大で。量はお好みで)
カツオダシ400cc
薄口しょうゆ20cc
20cc
塩・味の素を各ひとつまみ
ゴボウ約0.5本をささがきにする。

昆布(なくてもOK5cmぐらい

作り方:

1、土鍋にご飯→ゴボウ→タコと敷く。

2、1に調味料とダシを入れて最初は弱中火で炊く。

3、鍋の蓋から煙が出てきたら火をやや弱めにする。

4、3の状態で煙からうっすらと焦げる香りがして来たら火を止める。

5、4を10分ほど蒸らす。

 

タコの揚げない唐揚げ

材料:タコ(茹でタコでも。量はお好みで)

調味料(薄口醤油、すりおろした生姜、味の素)

片栗粉

作り方:1、タコを一口大に切る。

    2、調味料を合わしてタコを30分ほど漬ける。

    3、2の水分をよく拭き片栗粉を塗してフライパンで片面ずつ焼く。

    4、仕上げにバターを一掛け入れる。

    ※:普通に油で揚げても美味しい。

 

タコ丼

材料:タコ(量はお好みで)

   アボガド(タコの量の3分の1程)

   きざみ海苔・ごま

   わさび醤油

作り方:1、タコとアボガドを一口大に切る。

    2、丼にご飯をよそおい、海苔とゴマを敷く。

    3、2の上に1を敷き、わさび醤油を掛ける。

 

タコサラダ

材料:タコ(量はお好みで)

   野菜(レタス・ワカメ・玉ねぎ・トマト・ヤングコーン)

   ドレッシング→調味料(グレープフルーツジュース・オリーブオイル

              塩・味の素・ブラックペッパー)

作り方:1、タコは一口大に切る・

    2、トマト・レタスを一口大に、ワカメはさっと湯がき一口大に切る。

    3、ヤングコーンを軽く茹でて、玉ねぎはスライスして氷水にさらす。

4、ボールにグレープフルーツジュースを入れて調味料を振る。

5、器に1~3を入れて冷蔵庫で30分ほど冷やす

6、5に4をかける。

※:ポン酢やゴマタレも美味しい。

 

✩タコしゃぶ

材料:タコ(量はお好みで)

   野菜(レタス・ほうれん草・ニンジン・ヤングコーン)

   ラーメン玉

作り方:1、タコを冷凍しておく。

2、カツオダシをとる。

3、レタスは一口大に、ホウレンソウは軽く湯がいて一口大に切る

4、ニンジンは薄切り、ヤングコーンは軽く湯がく。

5、1をなるべく薄く切る。

6、ゴマタレやポン酢がおすすめ。

7、仕上げに残りのダシに塩・味の素・薄口醤油をいれる。

8、ラーメンを作る。


 

 









 

4、最後に

大まかではありますが、タコについて書かせて頂きました。

上記でも挙げましたがタコは実に栄養価が高く、カロリーの低い、

クセのないヘルシーな食材です。女性にもオススメですし、貧血や夏バテ防止にも効果は大きいです。気持ちが悪いとおっしゃられる方も多いですが、是非、お試しください。

タココース 8,000円

内容:付き出し・タコ刺身・タコの天ぷら・タコ鍋・タコシャブ・デザート

他の料理やコースと組み合わせも可能です。

 

店名:新明石

住所:〒542-0085

大阪市中央区心斎橋筋2-2-13

宝山心斎橋ビル1階

電話番号:(06)6211-2523

新明石URL:  http://www.shinakashi.com/

2016年4月30日土曜日


 

鱧(ハモ)について

初夏も近づき、もうすぐ関西の夏の風物食材である「」が出て参ります。

しかしこの鱧という魚、他の魚と幾つか違うユニークな面があり、それが故に関西や九州でここまでの市民権を得ています。

そこで今回は改めて多々に渡った理由を含めて、鱧という魚の歴史や文化、料理について見直していきたいと思います。

 




1、鱧の概要と由来について
 
概要について
沿岸部に生息する大型肉食魚で、京都を筆頭に関西料理に欠かせない食材として扱われており、生鮮魚介類として流通する際には近縁種も一般に「ハモ」と称されています。
名称や由来について
まず名称ですがいくつか諸説があり、食む(はむ)に由来するとみる説、「歯持ち」に由来するという中国語の「海鰻」(ハイマン)に由来するとみる説、マムシに姿が似ていたことから蝮(ハミ)に由来するとみる説、食感が「はもはも」しているから、という説、口を張ってもがくことに由来するとみる説などがありますが、ただし中国語説に関しては、中国では海鰻と称して食されているものの可能性が低いのでは?、という説が濃厚です。また地方名にハム広島県)、スズ(徳島県)、バッタモ(京都府丹後地方)、ウニハモ福井県)などがあります。

 
 
 

特徴について
  • 全長1mほどのものが多いですが、最大約2.2mに達します。体は他のウナギ目魚類同様に細長い円筒形で、体色は茶褐色腹部は白く、特徴として体表にが存在してません。体側には側線がよく発達し、肛門は体の中央付近にあります。ウナギ目の中では各ひれがよく発達していて、背びれは鰓蓋(えらふた)の直後、尻びれは体の中央付近から始まって尾びれと連続し、胸びれも比較的大きく出来ています。
  • よく市場では、ひらがなの“”の字に見立てた“つの字の鱧”というのを重宝します。
 
  • 口は目の後ろまで裂け、吻部(ふんぶ)が長く発達し、鼻先がわずかに湾曲し、いわゆる“獰猛な顔つきです“。顎には犬歯のような鋭いが並び、さらにその内側にも細かい歯が並んでいます。漁獲した際には大きな口鋭い歯で咬みついてくるので、生体の取り扱いには充分な注意が必要です。
  • 西太平洋インド洋熱帯温帯にも広く分布し、日本でも本州中部以南で見られます。
  • 水深約100mまでの沿岸域に生息し、昼は砂や岩の隙間に潜って休み、夜に海底近くを泳ぎ回って獲物を探します。食性は肉食性で小魚、甲殻類頭足類などを捕食します。
  • 産卵期はで、浮遊卵を産卵しますが、ウナギのような大規模な回遊はせず、沿岸域に留まったまま繁殖行動を行います。
  • レプトケファルスは、(カライワシ目、ウナギ目、フウセンウナギ目、カライワシ目、ソトイワシ目)の魚類に見られる平たく細長く透明な幼生の事で、大きさは5 cm前後かそれ以下から1 mを超す場合もある。ウナギやアナゴ、ハモなどのウナギ目のものが有名でウナギは成長後にはレプトケファルス期の約18倍、アナゴは約30倍の大きさになる。)にみられ、シラス漁などで混獲されることもあります。
 
2、鱧の歴史について
利用について
実は日本は鱧の利用史がとても古くて長く、縄文時代から利用されています。京都市中京の本多甲斐盛京亭からは多数の動物遺体が出土し、ハモの前頭骨が出土しており、この前頭骨は正中方向に切断されていて、椀物に用いる出汁を引くために切断されたものと考えられています。また、別の前頭骨には刃物による横方向の切痕が野降り、目打ちで頭部を固定した際に暴れまわるハモの頭部を包丁で叩いた傷と考えられています。また、現在のハモ調理では行われないが、歯骨からは包丁で危険な歯を取り除いた傷も見られます。こういったことからこの縄文時代は鱧の身を食用にして、釣り針釘の代用品にしたりと活用していたようです。
 
 
 
京都を筆頭に鱧食の歴史について
 
もっとも古い食歴史は上記に挙げた縄文時代ですが、この時代は飽食(焼いたり、大鍋で湯がいたり等)で、今日のいわゆる「鱧料理」は平安時代が発祥ではないかと考えられています。
特に京都の貴族社会では持て囃されており、生の鱧を料理して食べていたそうです。
ここでお気づきかもしれませんが、“京都の夏の鱧料理”は本当に有名ですよね。
これには理由があります。
実は京都という場所は海に面しておらず、兵庫県や和歌山県といった他の海に面した場所から“担ぎ“とよばれる魚の行商人が鯖や鯛といった魚を運んできたのですが、人力で夏の炎天下の中、しかも悪路を何時間も運んできていたため、新鮮な状態とは到底呼べず、死んでいたり、魚によっては傷んでいました。
その中で鱧だけは籠の中でピチピチとしており、取り出して首の骨を切る“シメル“という作業を行うのですが、他の魚はこれを行うとほぼ確実に死ぬのに、鱧だけは死ぬどころか、指に噛みついてこようとしたり、まな板の上でバタバタと暫く跳ね回ったりとその生命力は当時から凄まじかったそうです。
余談ですが、途中の山道で“担ぎ”の方が一服していると、鱧が籠の中で暴れ回って外に飛び出し、その土塗れの鱧を見つけた人が「京都の鱧は山でとれるのか」という勘違いをし、それが言い伝えになったそうです。
しかしその気性の荒さからは創造もつかない、白く綺麗な身淡泊かつ繊細な味は評判となり、それが京都の貴族たちで広く持て囃されたと、こういう訳です。
ただ余談ですが、関東特に東京ではこの獰猛な顔つきがどうにも気持ちが悪く、受け入れられなかったそうで、今だに鱧の事を“関西のウナギの通り名”だと勘違いされている方も少なからずいらっしゃるそうです。


 
3、鱧の旬について
ハモといえば、関西では夏の味覚として欠かせない味。
京都の祇園祭には欠かせません。
「祭り鱧」とか、逆に祇園祭のことを「ハモ祭り」と言う人もいるくらいです。
また、ハモは大阪の天神祭にも欠かせない料理の一品です。
よって「梅雨の水を飲んで育つ」と言われるサッパリした味のゴールデンウィーク明けから9月の夏のハモ
また、産卵を終えて食欲が増し、脂も乗り、味にコシが出てきて10月から11月半ばまでの「金ハモ」や「松茸ハモ」、「名残ハモ」などと呼ばれる冬のハモ。旬の時期はこの二つです。
 
4、鱧料理とレシピについて
上記で鱧は薄造りで食べていたと書きましたが、他にも塩焼きにしたりと、まだ未発達で、そうなるとあのやたらに多い小骨が口に残ったりして苦戦していたそうです。
そこで編み出されたのが“骨切り”です。
これは鱧の皮一枚を残して骨だけを刻んでいくという技で、京都ではフグがさばけても“鱧の骨切り”が出来ないものは半人前扱いだそうで、習得するのに100匹以上の鱧ないし、3年はかかると言われる技術を要する技です。
しかしこの技の誕生により鱧料理は今までに比べて、飛躍的に量・質ともに飛躍しました。



鱧の湯引き
1、鱧の身を1口大に切る。
2、湯を沸かし、その間に氷水を用意しておく。
3、1を2の湯にくぐらせ、白くなってきたらすぐに氷水に入れる。
4、3を引き上げ、リードペーパー等で水分をとる。
(冷蔵庫でしばらく冷すとなお美味しい。)
 
“鱧ゼリー寄せ”
1、鱧の身を1口大の半分くらいに切る
2、出汁に塩、味の素、薄口を各少量ずつ入れる(なるべく薄味で)
3、2の間にゼラチンを溶かしておく。
4、2を氷水で冷やし、1と3を入れる。
5、冷蔵庫で冷やす。
 
“鱧の南蛮漬け”
1、鱧の身を一口大に切る。
2、玉ねぎをスライスして水にさらしておく
2、1の鱧を唐揚げにする。冷ます
3、土佐酢に1と2をいれて、鷹の爪を刻んで入れる。
4、冷蔵庫へ入れる。
 
“鱧ご飯”
1、米(少々もち米を入れる手も)を洗い、炊く。
2、鱧を適当な大きさ(4分の1がスタンダード)に切る。
3、串を打って焼く。
4、3の間にタレ(濃口醤油2味醂-砂糖-味の素を各少々お好みで)小鍋に入れて煮詰める。
5、丼にご飯をよそおい、2を入れて上から3を掛ける。
 
“鱧サラダ”
1、レタス、セロリ、キュウリを洗い千切りにする。
2、ミニトマトを洗い半分の大きさに切る。
3、皿(出来ればガラス皿)に梅肉と酢味噌を半々に敷き、1と2を並べる。
4、湯引きした鱧を3の上に敷く。
 
4、最後に
大まかではありますが、これからの旬である鱧という魚について書かせて頂きました。
まだまだ、こんなものではありません。
関西では特に本当に歴史が長い魚です。
その生命力を研究して、スッポンのようにビタミン剤として世に提供している製薬会社もあるそうです。
これからの時期に当店も鱧を打ち出してまいります。
 
鱧コース 9,000円
内容:付き出し・鱧湯引き(焼き霜)・鱧天ぷら(鱧照り焼き)・鱧鍋・雑炊・デザート
他の料理やコースと組み合わせも可能です。
 
店名:新明石
住所:〒542-0085
大阪市中央区心斎橋筋2-2-13
宝山心斎橋ビル1階
電話番号:(06)6211-2523
新明石URL:  http://www.shinakashi.com/
また、鱧鍋の通信販売も可能です。
こちらは鱧の身・特製のダシ・野菜・豆腐と全て入っております。
上記のホームページからも入れますが、http://www.shinakashi.com/#storeです。
よろしくお願い申し上げます。




 




2016年4月1日金曜日

卯月にて

 
桜花の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度は、お客様方のご意見を賜りつつ、
当店ならではの季節を彩るお料理を、ご案内させて頂きます。
 
 
懐石コース
 
・お付出し
・ミニてっさ
・季節のお料理(三品 内容はその都度変わります)
・フグ雑炊もしくは炊き込みご飯
・デザート
 
感謝価格 5,500円(税込み 8月末まで)
 
・「鯛シャブコース」(春爛漫! あっさりとどうぞ 8,000円)
・「タココース」(たっぷりの野菜と締めはタコご飯をどうぞ  8,000円)
・「スッポンコース」(更に雄々しく美しく 13,000円)
 
そしてまもなく””も美味しくなります。
各種会合やお集まりも承ります!
御来店を一同心よりお待ち申し上げております。
 


2016年3月19日土曜日

いかなご釘煮(新子)

春の訪れの「いかなご釘煮」が今年も炊き上がりました。
仕上がりが折れた釘のように見えるためこう呼ばれており、
前回は大きい方のふるせをご紹介いたしましたが、
今回は小さい方新子をご紹介させて頂きたく書かせて頂きます。
 
 
 
新子は大きさこそ、ふるせには劣るものの、
味があっさりとしており、食べやすい仕上がりとなっております。
こちらも兵庫県明石は「魚の棚」で捕れたての新鮮な新子
醤油・砂糖(ざらめ)・生姜でじっくりと炊き上げております。
ご贈答地方発送も承ります。
 
300g 4,000円(送料込み)です。
量の調整も可能です。
お気軽にご相談下さい。
 
ごはんのおかずにしたり、
冷ややっこ(豆腐)の上にのせて食べてお酒のおつまみ、
おむすびの具にしたり、うどんや蕎麦の具材や、チラシ寿司等、
こちらもバリエーションは豊富です。
皆さま、ぜひどうぞ!
なお、こちらは量の期間が定められており、
 
 
期間限定(予想ですが3月の末ぐらいまで?)とさせて頂きます。
申し訳ございません。
 
 
 


いかなご(玉筋魚)とは?
北方系の魚で、海底が砂や砂礫の浅海に生息しており、
体は細長く槍形で、約25センチメートルまで成長し、
色は、背部が青褐色で腹部は銀白色。
背びれが長く、腹びれがない。そのひれも軟条だけで刺条はなく、
水温が約15度以上になる夏場には砂に潜って夏眠するためです。
明石・淡路近海では、12月から1月頃にきれいな底砂に産卵し、
くぎ煮に使用されるいかなごの漁の解禁は2月下旬から3月上旬。 兵庫県立水産技術センターが試験引きを行い 稚魚の成育などの調査結果をもとに
毎年漁を行います
カマスに似ている事からカマスゴと呼ばれる事もあります。
全国的に分布しているからか、地方によって呼び名が変わり、
くぎ煮を炊く神戸市垂水区や明石近辺では、
いかなごの稚魚を新子(シンコ)、成魚を古背(ふるせ)といいます。
他にも・・・ 関東:小女子 (コウナゴ)、 宮城地方:女郎人 (メロウド)、 九州方面:カナギ など、
色々な呼び名があり、
名前の由来については、糸のように細長い魚だからとも
何の魚の子か判らなかったことから、「いかなる魚の子なりや」の説もあります。

2016年3月11日金曜日

いかなご釘煮

 
春の訪れの「いかなご釘煮」が今年も炊き上がりました。
仕上がりが折れた釘のように見えるためこう呼ばれており、
生後1年以上のいかなごの成魚を「ふるせ」と呼び、
大阪では見られない特に大きなもので大変美味です。
兵庫県明石は「魚の棚」で捕れたての新鮮な魚を
醤油・砂糖(ざらめ)・生姜でじっくりと炊き上げております。
ご贈答地方発送も承ります。
そのままでごはんのおかずやお酒のおつまみ、
うどんや蕎麦の具材や、ダシ巻きに巻き寿司等、
バリエーションは豊富です。
皆さま、ぜひどうぞ!
なお、こちらは量の期間が定められており、
期間限定(予想ですが3月の半ば先ぐらいまで)とさせて頂きます。
申し訳ございません。

いかなご(玉筋魚)とは?
北方系の魚で、海底が砂や砂礫の浅海に生息しており、
体は細長く槍形で、約25センチメートルまで成長し、
色は、背部が青褐色で腹部は銀白色。
背びれが長く、腹びれがない。そのひれも軟条だけで刺条はなく、
水温が約15度以上になる夏場には砂に潜って夏眠するためです。
明石・淡路近海では、12月から1月頃にきれいな底砂に産卵し、
くぎ煮に使用されるいかなごの漁の解禁は2月下旬から3月上旬。 兵庫県立水産技術センターが試験引きを行い 稚魚の成育などの調査結果をもとに
毎年漁を行います
カマスに似ている事からカマスゴと呼ばれる事もあります。
全国的に分布しているからか、地方によって呼び名が変わり、くぎ煮を炊く神戸市垂水区や明石近辺では、いかなごの稚魚を新子(シンコ)、成魚を古背(ふるせ)といいます。
他にも・・・ 関東:小女子 (コウナゴ)、 宮城地方:女郎人 (メロウド)、 九州方面:カナギ など、
色々な呼び名があり、
名前の由来については、糸のように細長い魚だからとも
何の魚の子か判らなかったことから、「いかなる魚の子なりや」の説もあります。




 
1例として上記の写真のような仕上がりです。

 
ラベルを張ります。



包装紙で梱包させて頂きます。









 
 
 
 




 
 

2016年3月1日火曜日

弥生のご挨拶

 
浅春の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
本日から3月といえど、まだ寒い日が続くそうですが
一歩ずつ本格的な春に向かっているそうですね。
 

 
写真は大阪城公園の梅林です。
これだけ咲いてくるといよいよ春だな、と
毎年気持ちに沁みます。
 
 
 
フグ(静岡産)もまだまだ、質は落ちません。
白子もまだ大きく健在です。
また今月は鯛シャブや春野菜を使ったコースも
ご紹介いたします。
皆様のご来店をお待ち申し上げております。
良き門出をお迎えになりますようお祈り申し上げます。